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パラレル 愛の劇場 [BL] [ss]好きだけど言えない 4

小牧の本心は?

郁×小牧

時期 戦争あたり 

* * * * *


そう、あいつの大事な人を奪ったら・・・どういう反応をするのか・・見てみたかったんだ・・・。


奥多摩の2ヵ月演習は集中訓練だ。
扱けるだけ扱かれる。
「きっつ・・・・」
弱音を吐いている暇等ないが、弱音ぐらいでるってもんだ。
「笠原、腕さげんな!」「はい!」

やってるつもりだ。。つもりだが・・・キツい・・・。
腕力の差かなぁ。手塚は余裕で走っている。
まぁ、それでも、私も食らいついているほうではある。
走るだけなら、このメンバーの中でもダントツだということが解った。
伊達にインターハイまで出てないし、実業団からだってお声がかかってたんだ。
そう簡単には抜かせない。でも、ハイポートや障害となると、装備がつくし、銃も持つ。
さすがの陸上経験者でも、これはない。

配属前に気付かされたので、今は走り込んでも倒れ込むような失態はおかさない。
それに、ここ数週間で筋肉もついてきたのか、元からの足の早さのお陰なのか、走りならば常に上位にくらいつけるようになった。
腕立てなんかになるとさすがに追いすがっている状態になるが、女子として考えるならば、やれているほうだ。防衛部にも女子はいる。がこんなハイスピードな腕立てはタスクフォースの訓練だからだ。それに追いすがろうと頑張る郁は選ばれただけのことはあるのだ。
腕立て50を2本。そう簡単に出来るものではない。

「彼女がんばるね。堂上が推薦するだけのことはあるね」
「当たり前だ、そんなんじゃなかったら、推薦なんてするか。アホ小牧」
「!?」にやりと笑う堂上なんて久しぶり・・・。
何がどうした? 俺が笠原さんと付き合うってなってから・・・堂上が・・・昔の堂上が戻って来ているように見えた。
はっ・・・表面的には気付かない・・・内面的な変化。

堂上・・・おまえ、やはり・・・。

ズキンッ

心が痛む。
俺・・・なにやってんだろう・・・。
2人に対して滅茶苦茶なことして・・・。

堂上を見ると切なくなる・・・。


郁が走りながら、小牧の様子を伺っていた。
そして、郁は確信した。
もしかしてとは思っていた。
でも、そういうこともあるのかもしれないと思っていた。
恋愛はした事無いけど、恋ならした事あるもん。
私にだってそのくらいは・・・・わかる。
小牧教官が私と付き合うって話は何かが違う感じがしていた。
たぶん、小牧教官は私の相手ではないと・・・。
憧れている三正が誰かはまだ突き止めてないけど、あれから6年経ってるし、たぶん、小牧教官達と同じ二正くらいにはなっているのかもしれない。
小牧教官って、堂上教官のことを大事に思っているよね・・・。
でも、あの表情は本当に、その方面の感情なんだろうか・・・
もし、そうだとすると、どうして、私と付き合うなんて話になるんだろう?
しかも、変だよね? この奥多摩限定でいいって・・・。
奥多摩限定の彼氏彼女の関係って・・どういういことなんだろう?
なんのために・・・そして、堂上教官を、見つめるあの目は・・・。

訓練中にしかみることが出来ないあの表情。
他の時間になると『普通』になる。
たぶん、何かの意図があるのは明確で・・・。

そんな事を考えていたら
「笠原! 何度言わせる! 腕さげんな!!! おまえ、腕立て50追加!」
うわっ やられた!!!

堂上教官の前に到着すると、すぐにペナルティが開始される。
他にも何人かいたので、一緒に腕立てを始める。
が、今まで、ハイポートで銃を固定したまま走っていたので、腕が少々笑っている。
うわ~~~・・・ふ・・・ふるえてる・・・。
「笠原、何やってる、さっさとやらんか!」
わかってるわよ! 鬼教官! 今からやるっつうの!!

ふっとその脇にいる小牧を見ると、やはりちょっと切なげな目で堂上を見ていた。
一瞬。本当にそれは一瞬だった。私の見るタイミングがもう少し遅かったら見損ねていた表情。
そして、目が合う。
「がんばれ」
そう言ってくれるけど、それはもういつもの小牧教官で・・。
私もちょっと恥ずかしくて、くそぉ~~~~~うぉりゃ~~~~~
なんて声を上げてペナルティをこなして行く。

小牧教官から付き合ってと言われて変わったことは、これと言って・・・
あ、お昼の並び順が変わった。
堂上教官の隣に私が大体座ってたんだけど、今は小牧教官の隣に座るようになった。
向いは手塚。
最初、手塚が困惑していたけど、小牧教官に言われたらしくて、これが定位置になった。
これを見て混乱したのは手塚だけではなく、周りの先輩達も同様で、でも、言って来る言葉がちょっとおかしい。
「堂上、どうした!? そこまで笠原に嫌われたか!?」
「お前らどうした、また、喧嘩でもしたのか?」
「おいおい、お前らは・・・・」
最後の後が続かないバージョンは何人かの先輩に言われ、あ、すまなかったな、余計なお世話だったと去って行くのだ。
てか、なんで、私と堂上教官が斜めに座っているだけで喧嘩になるわけ? そこまで子どもじゃないっつうの!
そこで、疑問に思っている先輩は小牧教官に意見を求めるんだけど、そこでまたオドロキの声を上げる。
まぁ、そうだろうねぇ・・。
「お・・・おまえらが!? いつの間に! ってか、小牧、おまえ手出すの早過ぎじゃねぇか?」
これがほぼ全員の答えだ。
「早いですかぁ? 初めて顔を合わせてからもう数ヶ月経ってますよ?」
会ってその日にって訳じゃないんだから・・・・。

そう、そして、この一連の流れが済み、先輩が去って行くと、堂上教官の機嫌がそれこそ悪くなっているのだ・・。
昨日、今日でほぼ全員に言われたが、そこにも不思議な会話がちらほら混じる。
「あぁ~あ~、堂上、先越されたなぁ」
って・・・いや、堂上教官は、私のこと嫌ってますから!
私はというと、黙って行く末を見守っているしかなかった。
手塚も同様のようだ。
ため息が出る。

「どうしたの?」
うわぁ~っっ
内心トンでもなく驚く。
今まで以上に優しい声に心臓がうるさい。
自分でも顔が赤くなるのが解る。

まだ、お昼の時間は充分にあったので
「ちょっと外にでようか」
と連れ出された。がっしりと腕がまわされている。
ふっと気になり、後ろを振り向くと、むすっと怒った堂上教官と何かまずいものを見たかのような手塚が並んでいた。

外に出るとすぐに話しかけられた。
「ため息なんて笠原さんらしくないな、どうしたの?」
「あの・・・小牧教官はこれでいいんですか?」
「これでって?」
「私と付き合う事・・・みんなに言っちゃって・・・」
「え? ダメだった? それは悪い事したね・・・」
「あ、いえ、私はいいんです。でも、私なんかと小牧教官って」
「笠原さんは自分を卑下し過ぎ。もうちょっと自信もっていいんだよ? 特殊部隊に選ばれたってだけでも凄いことなんだし」
「いやぁ、それは解るんですが、それも私でよかったのかなぁって・・・」
「そこは、自信持ってもらわないと困るな。こっちは笠原さんなら出来るとふんで、選んだんだ。あの堂上が推薦してるんだよ?」
「あ・・・・」
「それに、俺が彼女になってって・・・お願いしてるの忘れてない? それって何げに俺に失礼じゃない?」
「あ、違うんです! だって、小牧教官が・・・」
「俺がどうかした?」
「堂上教官のことを気にしてるみたいだったし・・」
「堂上の・・・こと?」明らかに表情が変わったが、すぐに元に戻った。

俺といるのに、そんな事言う子は悪戯しちゃうよ?

顔が近づいて来る。
ひゃっ・・・・
今回はおでこではなく、口の端。恥ずかしさで目が開けられない。
そして、唇に指を乗せられ「今度はこっち・・・もらっちゃおうかな・・・」
そう聞こえて、咄嗟に目を開けるとにっこりと微笑んだ小牧教官が目の前に至近距離にいて、
再び、指が唇を捉えた。
「冗談・・・通りすがりの期間限定彼氏がもらっていいもんでもないだろうからね・・・でも、そんなに隙だらけだとファーストもらっちゃうからね? 笠原さん」

小牧はそっとその場を離れた。郁を残して。
玄関に入ると、仁王立ちした堂上がいた。
「小牧、おまえ、何がしたいんだ・・・笠原で遊んでるのか?」
「遊んで何かないよ? 真剣に話を聞いてただけだよ」
「あれが話をしていた態度か?」
「へぇ~・・・見てたんだ。俺達のこと」
・・・・・・。
「恋人同士の語らいをねぇ・・・」
「笠原は動揺してたようにしか見えなかったがな・・・」
「堂上、人の恋路を邪魔するヤツは馬に蹴られて・・・だよ?」
「おまえは、笠原に恋してるようには見えん! 遊んでるようにしか見えないんだよ。小牧」
「それってそっちの見解でしょ? 俺は・・・・」
時間も時間だったので、タイミング悪く、郁がその場に戻って来ていた。
ぐいっと腕をひっぱられ、またも、小牧の腕の中・・・
「俺は真剣に交際を申し込んで、受けてもらったんだよ。文句言われる筋合いじゃないね」
その様子を見た堂上は明らかに目が動揺していたが、なんとか落ち着きを取り戻し、
「あぁ~・・邪魔して悪かったな・・・」
午後の訓練始めるぞ! と去って行った。

郁は・・・しばらく、その場に佇んで、小牧の言ったことを反芻していた。
隙だらけだと、ファーストもらっちゃうからね?
そっと自分の唇に指を持って行ってなぞる。

ファーストキス・・・。

え!? 小牧教官と?
郁は今やっと彼氏彼女の立場というものがどんなものなのか、理解し始めたようだった。

そ・・そうだよね・・・。
こ・・・子供じゃないもんね。教官も私も・・・。
でも・・・。
私、小牧教官と・・・?

ぐるぐると考えが巡るが、どうしても、その先を考えつく事が出来ないでいた。

小牧はいつの間にか、いなくなっていた。
玄関にぽつんと郁1人。

その様子を見ていた堂上が
「笠原! そんな所で何してる! 午後の訓練始まるぞ!」
と注意してくれた。
大抵は見てるだけで、注意はせず、時間が過ぎてから叱られるパターンが多いのに・・・。
郁は、珍しいと思いながら、「今、行きます!」といつもの威勢のいい返事で切り返し、先輩達が集っているほうへと駆け寄って行った。

ふと前を見ると、小牧がいる。
にっこりと優しげな微笑みを見せていたが、集合の合図がかかるとキリっと表情が引き締まり一点を見つめた。
午後の訓練が始まった。



続きまする。

今回の『好きだけと言えない』は他の話よりも1話づつが短くなっています。
それが限界だから! 小牧の動きが予測不可能で、文章にしていくのが難しい。
どうしたいのか、どうなりたいのかは決まっているんだけど、どう持って行くのかが予想できないんですよ。
だから・・・毎度のことですが、後何話かかるのか・・・わかりません!

  
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