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パラレル 愛の劇場 [BL] [ss]好きだけど言えない 7

じっくりと語り合う? ふたり・・・


小牧 × 堂上

時期 戦争初期あたり

* * * * *


2人は宿舎から離れ、郁が滑り落ちた花畑まで来ていた。
「この辺だったら、あまり人が来ないから・・・」
花畑の先に少し開けた岩場があり、そこに2人腰掛けた。
「今日は俺の話を聞いてくれる?」
堂上は頷いて、じっと前を見つめた。
「俺ね・・・彼女のことはほんと、かわいいと思っているし、好きだという感情もあるよ」
少し愁いを含んだ表情をした堂上を見つめる、堂上は前の景色を見ていて、こちらには向かない。
「さっき、彼女は俺のことを思って、俺を抱きしめてくれた。俺からお願いしたんだけど、俺が甘えたい相手は自分じゃないんじゃないかって指摘されたよ。堂上・・・おまえじゃないかってね」
堂上はかなり驚いた顔で小牧のほうを見た。
「それって・・・」
「俺がね・・堂上を見る目つきがね、切なそうな時があるってさ・・・見られてたみたいで・・・」
それなら、俺も知っている。たぶん、あの目の事だろう。
「だけど、この堂上への気持ちも好きだけど、悪戯したりしたけど・・・わからなくなった」
?どういうことだ?
「笠原さんがさ、一生懸命、俺に応えようとしてくれるからさぁ、場所もシチュエーションも揃ってるだろ?」
シチュエーション?
「俺さ、狼になりたいって叫んだんだよね。彼女に向って」
そ・・・それって・・・
「でもさ・・・彼女、狼ってフレーズでわかってくれなかったんだよね・・・」
御愁傷様
「ま、それで自制出来たんだけどさ・・彼女への愛情って、毬江ちゃんに向けてたものと近いものがあるのかもしれない・・・」
それは・・
「父性ってやつ?」
はぁ?
「彼女のこと、好きだけど、一線は超えてはいけない・・みたいな・・・」
おまえと笠原だったら、別に・・・・
「俺、お前の事も大事なんだよ・・・堂上。俺の中では笠原さんはお前のもんなんだ・・・」
なんだそれ・・なんで俺のもんなんだ・・・
「だが、お前のもんだよ。笠原さんは・・・」
思い詰めた表情の小牧は膝を抱えて黙り込んだ。

「笠原は笠原だ。だれのもんでもない。ちょっと前にも言ったろ? 笠原に対する感情は恋愛感情とは違うんだ・・・」
「それは認めてないだけだと思うよ。俺の感情と似てんじゃないかな・・・」
「おまえも認めてないだけってことか?」
「たぶん・・・ちなみに、堂上と笠原さんのことじゃないよ」
「? ・・・あ・・・」
「俺、どこに行きたいんだろうね。でも、笠原さんいてくれて助かったよ・・・じゃ、なきゃ、気付かないまま、おまえを潰してた」
「は? 俺を? おまえが?」
「できないと思う?」
・・・・・
「おまえはそういうヤツじゃないと思いたい」
「そっか・・・」
この場面でその表情がくるか?
小牧の口角があがり、まさしく、にやりとしていた。

あぁ・・・
おれはなんでまた・・・

「堂上って俺に甘いねぇ・・・なんでこうも簡単に組みしかれるんだか・・・もしかして、期待してる?」
「んな訳ない!」
「もしかして、俺のこと好き?」
「・・・そういう好きと違うが・・・嫌いなわけない」

ありがとう
そういうと、小牧は俺の上に重なった。


時計を見ると点呼の時間まで後7分。
走ってギリではなかろうか。

俺達は力の限り走り、草葉だらけの格好で廊下に並んだ。
緒方が・・・
「おまえら、喧嘩でもしたのか?」
と軽く一瞥し、突っ込んでくれたが、
「喧嘩・・・ではありません」
としか答えられなかった。
笠原はもう寝ていることを伝え無事点呼終了となった。

俺らがじゃれあっていたのが格好でバレたからか、大宴会がそこから始まった。
あぁ・・・明日は休養日だということをすっかり失念していた。
久々に飲まされる。飲んでみると・・・
まぁ、この程度だったらセーブできる。
意外にも小牧も飲まされている。
手塚は先輩達につかまっていた。

「俺、これ以上お前らにこれに関して迷惑をかけないようにするよ」
「これ?」
「とりあえず、笠原さんとのカレカノ関係は奥多摩限定だから・・」
「なんじゃそりゃ・・・」
呆れた声を出した堂上は、またも素早く押さえ込まれる。
「そして、この関係もここで終わりにする。誓うよ」
「この関係ってこの・・・俺が組敷かれているこの状況か?」
「あ、お気に召したのなら続けますが?」
「いや、いい・・・」
くすりと笑う小牧はいつもの小牧だった。
何か吹っ切れたような顔をしていた。


そんな状態の俺達の元に緒方が近づいて来た。
「お前ら、何かあったのか? さっきのあの形は・・・それに、何してんだ」
「あぁ、久々に組んだんですよ・・あの時も、今も・・・ちょっと、ね?」
ぶほっっ
俺は何を吹き出してんだか!?
「大丈夫か? 堂上・・・その様子だと、堂上が投げられたみたいだな」
投げられた・・・外でも投げられてはいないが、確かに下になったのは俺だった・・・・
顔が赤くなるのを止められない。
周り的には小牧に投げられた堂上という図式が出来上がっていて、投げられた事を恥じていると思われたらしい。
「まぁ、そういうこともあるさね」
そう声を掛けて来てくれたのは進藤一正で
「お前らは元々どっちもどっちだったろうが」
と付け加えた。
俺は「はぁ・・・」と起き上がりならが生返事しか出来なかったが
小牧を見るとくすくす笑っていた。


大宴会はまさしく大宴会。
飲まされる。ペースも早い。
俺は大丈夫だったが、小牧は完璧に潰れていた。
手塚が小牧のことを気にして、部屋に戻ることを進言してきた。
時間も深夜をすっかり跨いで朝に近い時間になっている。

手塚が小牧を抱えて、俺達三人は部屋に戻った。

小牧は気がついて、手塚に礼を言っていた。
あとは自分でできるから・・・
そういうと、自分でベッドに潜りこみ、あっという間に寝付いた。

「小牧二正のこんな姿初めて見ました」
「そうだろうな・・・こいつがこんな姿見せる事自体がめずらしいから」
「やっぱりそうなんですか?」
「やっぱりってなんだ?」
「見た事ないからです」
「(そのままだな)・・・・明日は休みだが・・・まぁ、ゆっくり休め」
「はい」

簡単な会話でその日は締めくくられた。

小牧の気持ちがしっかりと纏まるのはこれから数ヶ月後。
季節を二つほど跨いだ後になる。

奥多摩最終日。バスの中
郁「小牧教官、今日でカレカノ関係解消ですか?」
小「続けてもいいの?」
郁「それは小牧教官が決めてください」
小「俺が決めていいの?」
そこに首を出して来たのは、進藤で
進「お? なんだ? お前らの関係って奥多摩だけの話だったのか?」
なに? そんな美味しい事してたのか?
周りの先輩達も寄って来る。
小「美味しいってなんですか?」
先輩「え? 現地妻みたいなもんじゃないか? それって」
郁「げ・・・現地妻~~~?」
先「笠原~おまえ、小牧にいいようにされなかったか? 大丈夫か?」
郁「え? えっと・・・別にこれといって・・・」
その言葉に目を丸くしたのは先輩達
先「小牧、カレカノ状態で手だしてないのか?」
小「まさか・・・そんな・・・先輩方じゃあるまいし」
先「うわっこいつ、何気に紳士気取りやがって」
小「気取ってませんよ」
進「笠原~・・・じゃあ何で付き合ってたんだ?」
郁「・・・・・?」
頭を横に倒し、目線がきょろきょろしている。
進「小牧は?」
小「まぁ、いろいろ助けてもらいましたよ。彼女に・・・」
郁「え? 私何かしましたか?」
小「うん。俺にとってはとても有意義な関係だったよ・・・」
一瞬だが、ちらりと堂上のほうに目線が動いた。
郁は・・・そこで納得した。

小牧教官の気持ち・・・どこかに落ちついたのかな?
郁がそんなことを思っていると

小「じゃあ、まだ、俺達の関係って解消してないんだよね?」と突っ込まれた。
郁「え? あ、はい・・・そうですね・・・」
小「じゃあ。これもありなんだ・・・」
これ?
そっと手が握られる。
その行為を見て、先輩達が一斉に「お前らは小学生か!!!」との突っ込みが入り、
郁が堂上を見ると、眉間の皺がより一層深くなったのが見えた。
「?」郁には堂上の機嫌が悪くなった理由はわからなかったが、
小牧にはわかったようで。
小「バス降りるまで繋いでていい?」
郁「え? あ・・・こんな手でよければ・・・」と返事した。
ありがとう

その一連の流れで、堂上はふて寝を決行した。

周りの先輩達のなまぬる~い視線が堂上に降り注いでいた。
進「小牧のやつ・・堂上をけしかけてんのかねぇ・・ありゃあ」
緒「そうかもしれんな。これ見よがしにやってるからな」
進「だが、堂上のヤツもあんなにはっきりと表情に出してんのに、自分で気付いてないのか? ありゃあ」
緒「どうなんだろうな・・・・実際の所は本人でもわかってないんじゃないのか?」

3人が自分の本当の気持ちに気付くまでまだ少し時間がかかるようだ・・・。

事情と状況を知っている先輩達はそんなことを思っていた。
堂上と小牧がそういう関係だということは誰も知らないが・・・。

数十分後、郁は小牧を枕替わりに寝てしまっていた。
周りの先輩達もほぼみんな寝ている。
ふて寝を決め込んでいた堂上が目を開け、小牧に話かける。

「お前らの関係はこれで解消なのか?」
「あぁ、そうだね」
「いいのか?」
「これからは普通の上官に戻るよ。きっとそのほうが楽しいから」
「? どういうことだ?」
「まぁ、これからのお楽しみってことで」

堂上には小牧の言わんとする事が解らないかった。

きっと、笠原さんは王子様を見つけるよ。
そして気付くんだ。
それを邪魔しちゃ悪いだろ?


fin.


誰が誰に好きだと言えないのか・・・
堂上と小牧両方です。
でも、ここでの小牧は、対堂上、対郁、両方に好意を持ってました。
対堂上は遠慮なしでしたが、対郁に対しては遠慮して何もしてません。

狼小牧は・・・別で・・・使えたらと・・・誰に対して使うかは・・
また今度ということで。
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