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すききす9


魔性の女!? (笑)
緒形はやっぱり緒形です。

郁 × 緒形(笑) +手塚 + 堂上 + 小牧 ・・・ 戦争の頃

* * * * *

緒形が連れて来たのは、飲屋街にある複合ビルに入っているバーだった。
「なんだか、雰囲気のあるお店ですね」
「あぁ、昔からあるバーでな。美味い酒と肴を出す店なんだ」
「緒形副隊長だったら、こういう店も似合いますね」
「どういう意味だ?」
「隊長とかだったら、なんか違う感じがします」

この店に来たのは十数年前。
未だ残っていたのは、やはり常連客が多いからだろう。
昔だったらカウンターに陣取っていたが、今回は笠原の相談事を聞き出さなければならない。
もしかすると、話が拗れている可能性もあり、テーブル席のほうに行った。

店員が注文を聞きに来る。
「緒形さんおひさしぶりですね」
「覚えていてくれましたか」
「えぇ・・・覚えてますとも、その節はご贔屓にしていただいて」
「今日はちょっと訳ありでね。そういう時はこの店は最適なんで」
そういった緒形はちょっと笑って見せていた。
『へぇ〜緒形副隊長でも、こんな表情するんだ』きょとんとした目でじっと緒形を見ている。
「彼女さんですか? こりゃまたお若い・・・」
「部下だよ。部下。娘まではいかんが、さすがになぁ」
照れている緒形というのも珍しい。『あ、なんか、緒形副隊長もかわいいなぁ』なんて郁は思っていた。

郁は甘めのカクテルと頼むと、後は緒形が適当に注文を入れた。

「じゃあ、本題に入るか」
飲み物が来て、乾杯をすると、速攻で話題が変わった。
「で、お前らどうしてこうなってるんだ」
直球過ぎて対応出来ない。
郁が赤くなりながら、固まったのを見て、緒形は増々直球を投げて来る。
「お前らのプライベートにどうこういうつもりはない。だがな、仕事上、今の所なにもなく過ぎているが、さすがに班の中であまりにもぎくしゃくするようなら、配置換えも考えにゃいかんようになってくる」
「!?」
適当に頼んだ肴もテーブルに並び、緒形は箸を伸ばす。
「笠原、先ずは一口飲め。固まったまんまじゃ、吐き出せるもんも吐き出せん」
はい・・・と飲んだカクテルはアップルマンゴー。甘い酒だったが、濃いものだったらしく。郁は一口でまっ赤に染まった。
美味しい・・・
甘くて美味しいからとコップ1杯を飲み干す。
すっかり出来上がった。

「だかられすねぇ・・・緒形副隊長〜〜〜私、好きとも何とも言ってないんれすよぉ〜。憧れてる人はいますけど、今は恋愛云々ってこれといって考えれないんれす〜〜」

寝落ちする郁はここ数回の飲み会で見ていたが、こんなにしゃべる笠原を見たのは始めてだった。

「じゃあ、どうしてこんな事になってんだ?」
「手塚が、何をおもっれ、私にきすしたのかはわからないんれす。でも、きすしたからって、すきでもなんでもないのにぃ・・・なんれ・・・わらしがそんな・・・どうじょーきょーかんらって、なんれ私にきすしたのか・・・わっけわかんない!!!」

バタンと郁はテーブルに倒れ込んだ。
と同時に緒形が驚きの声をあげた
「なに!? 堂上が???」

緒形はギロリとカウンターのほうを睨んだ。
その視線に気付いた3人が緒形のいるテーブルのほうに向かって来た。

「どういうことなんだ? これは・・・本当のことか?」
「えぇ〜まぁ〜そうですね」
「小牧には訊いとらん!」
「はい、小牧の目の前で・・・」
「何でそんなことしたんだ!?」
「すみません。確認でした」
「確認?」
「笠原その・・・無防備に誰とでもヤるのかを・・・」
「・・・で・・・したと」
「はい・・・」

「いや、実際は本当に無防備に受けちゃうんですよ。彼女・・・普通近づいて来たら避けたりとかってありますよね? それを受けちゃうんですよ・・・しかも、目を瞑って・・・」

見て来た小牧が報告する。

そんな話は訊いた事がなかったので、手塚は驚きの眼差しで、上官2人を見ていた。

「で? 今回の話題の大元である、手塚は・・・なにを思って笠原に・・・しかも往来の前でキスなんてもんをしたんだ?」
三人が立っている状態ってのもおかしかったので、緒形は椅子をひとつ隣から拝借し、三人を座らせた。
で、座らせてからすぐに一杯飲ませてから続きを訊く。

が、話が出て来ない。
出て来ないのは真っ赤になった手塚が何かを言い辛そうにしているからであって、たぶんこれなら郁と同じで飲ませて吐き出させた方がいいのではないかと、上官三人は考えた。

数杯目の強めをカクテルを飲ませると、手塚が胸のウチをぽつりぽつりと話始めた。

「小牧二正と付き合ってたって話をしてですね・・・」
あぁ・・・
「あいつは有り得ないって言ったんですよ」
あぁ・・・
「小牧二正は少なくとも自分のことを気に入ってくれてたからって・・・」
あぁ・・・
「俺が笠原のことを気に入る可能性すら潰されて・・・」
あぁ・・・
「わかんないじゃないですか!? どうころぶかなんて・・・なのに、笠原は、俺とそういうことになる可能性なんて有り得ないって言いやがったんですよ」
うむ・・・
「手塚からしても私相手じゃ有り得ないでしょって・・・」

その後、手塚は有り得なくはないだろうと、実力行使に出た訳だ・・・。
「あいつ、簡単に俺に組まれたんです」
仮にも特殊部隊のくせにですよ!?
だんだんと手塚の勢いが衰えて来る。
「小牧二正とは・・その・・・キスとか有り得たくせに・・・俺とは有り得ないって・・・俺にどんだけ失礼なんだって・・・」
「で、しちゃった訳だ・・・」
「いや、でも、俺だって、誰彼構わずキスなんてするヤツじゃないです!」
「じゃあ、笠原さんとは本気で付き合おうと?」
「最初は思ってました。その、そういう関係にまで発展するかは、まったく考えてなかったんですけど、アイツが逆に意識してたみたいですね・・・初っ端からそっち方面で有り得ないって言ってましたから」

あぁ〜〜〜・・・あの後じゃあ、意識するわなぁ・・・
上官2人の顔色が悪い。

緒形は三人の会話を眺めていた。
そして、三人の会話が止まったとみて話始めた。

「で・・・お前らは笠原いじめて楽しいのか?」

「「「いじめてるつもりはありません!」」」

「いじめてなくても、笠原は困ってるよな? 明らかに!!」
緒形は言葉を一拍置いて、ギロリと三人を睨むと
「で、お前らの中で真剣に笠原を大事に思ってるのは誰だ? 三人とも興味本位でキスしてた訳じゃないだろ?」
「俺は、付き合ってる期間中は真剣でしたよ」
「俺は・・・ヤツさえ、いい返事をくれたら・・・ふざけてるつもりなんてありません」

一人堂上だけは顔を真っ赤にして、俯いたままだった。

すっと席を立ち、緒形の元に来ると
耳元で色々と話をし始めた。
お前なぁ・・・緒形の呟きだけが小牧達に届いた。

「仕方ないね・・・・堂上・・・俺達ココの席で笠原さん見てるから、副隊長とあっちで話をしてくれば?」
とさっきまで居た自分達の席のほうを指差した。。

「副隊長、よろしいでしょうか?」
堂上の改まったもの言いに緒形も苦笑しつつ、付き合った。
あちらの席へと移った緒形と堂上を見ながら
「堂上二正は・・・その・・・いつ・・・?」
「手塚が殴られた後すぐだよ。奴が一番説得力のないことしてんだよ・・・」
「俺は、付き合ってもない奴が手を出すんじゃないって意味で、殴られたんだと思いました」
「まぁ、意味はそうなんだろうけどね・・・俺と笠原さんが付き合ってた時も色々とあったもんだから、堂上も混乱したんだろうよ」
「混乱ですか?」
「そ、混乱してたよぉ」

俺との時も止めにはきたけど、アホやってたし・・・
手塚が付き合ってなくてキスしたってのが解ってついカッとなったってのも解るし・・・
そして無防備過ぎる笠原さんが、堂上のキスを受けて、本当に無防備にキスを受けちゃう子なんだってことを・・・

そもそも・・・そこが一番の問題だよね・・・
「この子、俺ら以外の人に迫られた時って・・・このマンマなのかな??」
素朴な疑問だった。
「それなら・・・この歳になるまで、ファーストキスとっとく様なことはないんじゃないですか? 立て続けに3人としてるし・・・」
手塚も相当なヨッパライのようだ。酔っていない状態だと、きっとこんな事は言わないだろう。

小牧も酔っているようだ・・・
「ねぇ?手塚?」
「はい・・・笠原さんが起きてる時に、もう一度迫ってみない?」
「は?」
「そしたら、無防備に受けるのか、やっぱるダメだと避けるのか、ハッキリするじゃない?」
「いやですよぉ〜堂上二正にこれ以上殴られるのは・・・笠原が俺の彼女になるってんなら、別に・・・そういうことも有りなんでしょうけど・・・付き合ってないヤツがこれ以上は・・・やはり、ダメじゃないでしょうか?」
「・・・まぁ、そうなんだけどねぇ・・・一般人にこの子に突然キスしてみてって言って本当にキスされちゃうのも嫌だしさ・・・」
「笠原のキズ増やしてどうすんですか・・・」
「俺だとさ・・・ほら、タイミングとかってわかってるじゃない?」
わかるもんですか?と生真面目に返す所をみると、手塚は段々と冷めて来ているのかもしれない。
ほら、飲んで、テンション高めて・・・と小牧に無理矢理に近い状態で飲ませられる。

「緒形副隊長にそんなこと・・・お願い・・・」
「俺はそんな事せんぞ。笠原はかわいい部下だからな。そんな不信感を持たれるようなことはせん!」
軽く三人を刺した。

「お前ら三人の意見は解った。だが、笠原がこれ以上混乱するのは隊としても問題だ。これ以上話が拗れんように、笠原には言っておく。お前らは帰れ」
「でも、緒形副隊長・・・」
「なんだ?」
「笠原はこの状態になったら、起きませんよ?」
緒形は長い溜め息をついた。
「俺が責任もってキチンと女子寮まで届ける」
「噂流れませんか?」
「お前らな・・・そんなに俺のことが信用ならんか?」
「信用はしてます。ですが、今度は笠原と緒形副隊長が噂の中心になるような気がします。手塚の時でさえも、結構笠原はやっかみを受けてましたので・・・この上、しかもこのタイミングで緒形副隊長とも・・・となると・・・」


・・・緒形は長考にはいった。
それでも郁は起きて来ない。
「手塚、お前は笠原と付き合う気はあるのか?」
「俺は・・・振られたんで・・・まぁ、奴を研究対象として見ていた事も否めませんが」

と最後、言葉尻を濁してニゲそうになっている所で、堂上と目があった。
研究対象と言ってしまったことが言葉として悪かっただろうか・・・
再び、殴られた時のように睨みつけられていた。

振られたというか、どちらかというと、お互いに付き合うとか有り得ないでしょ!?
と言われたように、本当に有り得ない話なのかもしれないとふっと思った。
キスはともかく、恋愛になるかと言われれば、自信がなかった。

「恋愛感情に発展する可能性を笠原自身に否定されてカッとなって行動に移しましたが・・・今、考えても、同期以上の感情には持って行けないかも・・・しれません・・・」
「そうか・・・笠原にはその辺、キッチリ伝えとけよ。じゃないと、笠原は混乱したまんまになる」
はい。しょぼくれた手塚は、すっと席を立ち、堂上の近くへと寄った。
「ふざけた気持ちはありませんでしたが、すみませんでした」
「俺にいうことじゃないだろう」
「いえ、堂上二正にもキチンと・・・殴られる前から思ってました」

「じゃあ。後は堂上だけだね」
やれやれと小牧がそういいつつ席を立った。
堂上は「後は、俺が笠原を送ってく」
そうとだけ行って、郁をおぶさり、金を小牧に渡して、店を出て行った。


「このまま、素直に送っていきますかね?」
「まぁ、堂上なら笠原をどうこうするってことはしないだろうが」
「堂上の気持ち聞き出せましたか?」
「あいつがお父さん気分になっていることはよくわかったぞ」

あぁ・・・『おとうさん』ですか・・・

小牧は気の抜けた様な笑い顔で「堂上はどんな時でも堂上ですか・・・」
ま、そういうこったな・・・。
深い事情を知らない手塚は、何の事かさっぱり解らず、相槌をうつ事さえも出来なかった。



続きます。
連続掲載。動き出したら動く動く。
手塚がやっと自覚しました。堂上は自覚したのかなぁ。
話を聞いた緒形さんは、堂上の心情を『おとうさん』だと認識しました。
さて、おとうさん堂上は郁をおんぶして、、、何を思うのでしょうね。
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