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[ss]夢か幻か願望か? 4


郁ちゃんはどうなるでしょうか(笑)

堂郁 上官部下時期 & 結婚期

* * * * *

郁は再び眠りについていた。
が、寝ているだけなので・・・と医者には言われ、堂上達が連れて帰ることにした。

「で、柴崎は原因聞いたのか?」
「う〜ん、やっぱり夢オチだったんですけどねぇ、妙に信憑性が高いっていうか、不思議っていうか・・・」
「夢オチだったんだ」
「なんだ、その信憑性ってのは」
「夢なのに、妙にリアルで、有り得なくはない状況? っていうんですかね」
「予知夢みたいなモノってこと?」
「予知夢っていうか、タイムスリップ? 未来に飛んで行ってるような感じにも見えますね」
「見えますねってお前・・・どんな夢なんだ・・・」
「それは私の口からは言えません」
「はぁ〜?」
「誰かさんは関係してんだ」
「えぇ、その方っぽい人が少し歳とってて、しかも、その人と結婚してるらしいんですよ」
「それは、また、妙にリアリティがある夢だねぇ」

全員の目が堂上に集る中、本人は先ほどの流れからすぐにその誰かというのが自分であるというのは解ったが、納得出来るものではなかった。

「結婚してるのがリアリティある話か?」
「少し歳とってるって所もミソじゃありませんか? だから、近未来なんですよ。それに、周りの人達に『25歳の笠原』って呼ばれてるらしいんです。妙にリアルじゃありません? ただ単に夢だったら、そんな細かな設定出て来ないと思うんですよね。しかも、新婚さんらしいですよぉ〜」
と柴崎の報告を聞いて、元々黙って聞いていたが・・・妙な空気が漂った。

「もしかして、笠原さんの様子が変なのって・・・そっち系?」
「それ以外に何があるっていうんですか?」
「いや、その・・・ねぇ・・・」
「だから、それっっぽい人を見ると恥ずかしいんですってぇ〜堂上教官」


* * *


ん・・・
堂上は黙って郁の様子を見ていた。
イった後の余韻なんて味わえたもんじゃなかった。
そのまま、郁の意識が飛んでしまって、目を覚まさなかったからだ。
ただ、呼吸も落ち着いていて、寝落ちしただけのようにも見えなくはなかったので、そのまま寝かせていた。今度目を覚ます時はどっちの郁なのか、堂上は微妙に落ち着かなかった。
出来れば、パニックになる郁は見たくなかった。
見ていて、痛々しくてたまらなかった。

ん・・・あ・・・篤さん・・・
その言葉を聞いた瞬間、堂上はほっとした。
「郁・・・」
「あれ? 私、気を失ってた?」
「あぁ、お前、また若返ってたぞ」
う・・・
郁が妙な声で行き詰まると神妙な顔つきになり、ごめんなさいと謝って来た。
「お前が故意に入れ替わってる訳じゃないんだろ?」
「えぇ、どうして、そうなるのかは、解ってないんだけど、確かに昔の私が今の私の中に来てるみたいなのよね」
そんな訳が解らないことをさらっと告白されても、イマイチよくわからない。
「それはどういうことだ?」
「篤さんは覚えてない? その昔、それこそ、私が25歳の県展の後の・・・どのくらいだったか・・・」
「そういえば・・・あれは、その頃だったか、俺に妙な嫌疑がかかって、小牧と柴崎にすんげぇ、攻められたの・・・」
「たぶん、その時です。私、この時代に来て、その・・・篤さんに・・・抱かれてたんですよ・・・今考えると、この状況じゃあ、変にもなりますって」
「・・・・」

さっきまでの、郁が本当に25歳の・・・あの県展後の・・・後にカミツレデートと周りに言われるようになるデート前の付き合ってもいない、ただの上官、部下の頃の郁だ。
俺自信も付き合い始めの郁を思い出していたが、その前の話となると、それはそれはトンでもない事をしているような気がしてきた。


でもね・・・
郁が言葉を続ける。
「えっと、この際だから、私が思い出した事を言っておくと、篤さんに抱かれた夢を見た後、もう2回ほど、同じような夢を見た覚えがあるの」
「2回?」
その2回というのは今の話なのだろうか・・・
「でも、それがいつの2回なのかわからないのよ」
新婚旅行の今の事なのかと言えば、それは1回だけだったような気がすると言う。
「もう少し、歳をとってるような気もするのよね」
「ちょっとまて、同じようなって言ってたな」
「うん」
「その同じようなってのは」
「うん・・・とっても恥ずかしくて、どんな夢だったかなんて口に出せないような内容」
それを聞いた篤は何も言えなくなった。

あ・・・
篤のほうも何かを思い出したようだ。
「そういえば、柴崎がそれっぽい事を言ってたような覚えがある。言われた時はかなり恥ずかしかった」
「え? 柴崎なんて言ってたか覚えてる?」
「う〜ん・・・どうだったか覚えてないが、お前の見てる夢の相手が俺で・・・その・・・あ、新婚でって・・・・あ・・・」
「ね? 解った? あの時って今のこの時に来てたのよ。ほら、新婚旅行じゃない? だから新婚だってのもわかったんだろうし」
「・・・・・」

篤も何となくだが、思い出してきた。
あの恥ずかしがりぶりや俺を見ての反応など、今だから解る。
郁があぁなるのも頷ける。俺と付き合ってもいないのに、ただの上官である俺に抱かれてんだ・・・
変にもなるな。


ということは・・・・
「郁・・・この後は邪魔は入らないってことか?」
「・・・たぶん・・・でも覚えてないから、わかんない」
「・・・もしかしたら、また入れ替わるかもしれない? か?」
「う〜ん。大丈夫だとは思うけど、自信ない」
「郁・・・」
篤の瞳は熱を帯び始めた。
重ねた唇は簡単には外れず、郁自身も乗り気で熱い唇は情熱を乗せて深く繋がり始めた。
すっと離れた所で「郁のほうが積極的だな」
郁はにっこりと微笑むと「昔の私が、篤さんにお預けを喰らわしたみたいだし・・・お詫び?」
カラダを合わせるようになってからそんなに経っていないのだが、さすがに、ちがうらしい。
郁から来るキスはそんなになかったから、やはり、してもらえるのは嬉しい。

きゅっと互いに抱きしめると「もったいないことしましたね」と郁が言った。
「もったいない?」
「だって、折角の新婚旅行を『私』に邪魔されたってことでしょ? 今からでも遅くない?」
「当たり前だ・・・新婚旅行だからな」不敵な笑いを浮かべる夫にかなりの恐怖を覚えつつも、お詫びだしと覚悟を決めた。
「優しくしてくださいね」そう言うと、郁は目を閉じた。


* * * 


郁はそのまま、寮に戻った。
結局、送ってもらっている車の中で目を覚ました郁は上を向くことが出来ないまま、車から下りるとお礼もそこそこにダッシュして戻って行った。
そうなるだろうことは予想の範疇に入っていたものの、残された4人は呆気にとられ、その場にしばらく佇んでいた。
「堂上教官」
「なんだ」
「明日から仕事出来ます?」
「・・・なんとかせねばなるまい・・・」
「笠原さんが使い物になるかどうかは、笠原さん次第だけど、まぁ、明日からはしばらく訓練だし・・・」
「訓練中に意識がぶっとんだら・・・危なくないですか?」
「それはそうだが、今日も早退してるしなぁ・・・明日も休みにした所で、この状態がどのくらい続くのか予測がつかんからなぁ」
「病気ではないんですものねぇ・・・」

「夢・・・なんだよね?」
「夢ですよ。それ以外、何っていうんですか?」
「催眠療法でもさせますか?」
「それで治るか?」
「その夢自体を見なくすることは出来るかもしれないですよ」

・・・
「とりあえず、帰るか・・・」
「そうだね。ここで話をしてても埒があかないだろうし」

4人も寮に戻った。


小牧は堂上の部屋に来ていた。
手塚はその内容から遠慮しますと生真面目な返事をし、自室に戻った。
「で、どう思う? 堂上」
「どう思うって言われてもな・・・」
「お前、未来は笠原さんと・・・」
んな・・・堂上は小牧の濁した言葉の先を理解しただろうことはすぐに解った。
「その気はあるの?」
「なんで、話がそこまで行く!? 笠原の夢の話だろうが!」
「そうなんだけどねぇ、妙にリアルだっていうからさ、予知夢かなぁって」
「予知夢ってお前・・・」
「そういうこと思ったりってしないの?」
「・・・・なんで、話がそんな所まで行くんだ?」
「う〜ん・・・好奇心? っていうか、言ってもいいの?」
「何をだ」
「おひめさま・・・」
「・・・」
「お前、このまま誰かと付き合うのを見てる気?」
「!?」
「笠原さんも結構人気あるんだよ? 知ってる?」
小牧は手にしていたビールを飲み干すと最後にとつけてから
「あの夢の話、聞いた時、嬉しかった?」
堂上はふて腐れたように「すげぇ、恥ずかしかった・・・」とだけ返し、後は黙々とビールを飲んでいた。


続きます。

今回は主に堂上側。
どう決着がつくんでしょうねぇ。
25歳の郁ちゃんは後何回か、未来に飛ぶようです。
25歳の郁ちゃん・・・翌日から訓練です。
しかも・・・柔道だったりします。


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